Steamで安売りしているところを購入したのでレビューします。
ばるです。
購入したのはUBISoftのWatchDogs(ウォッチドッグス)シリーズの第三作目「WatchDogs:Legion」です。
WatchDogsシリーズは、街を「ctOS」という監視システムでプライベートも支配された世界で、
第一作目は「シカゴ」、第二作目は「サンフランシスコ」。今回は「ロンドン」です。
まず今作の特徴から。
・主人公が固定ではなく、街中にいるキャラクターをデッドセックに勧誘し操作する
・キャラクターそれぞれにスキルが割り振られており、個性がある
・DLCで第一作目の「エイデン・ピアース」が操作できる
□主人公が固定ではない。個性を持つ一般市民を勧誘し操作する
本作の特徴のひとつが、プレイアブルキャラクターが一般市民全員であること。
民間警備組織である「アルビオン」や敵対組織のメンバーも勧誘できますが、少し手間がかかります。
で、このキャラクターごとにスキルが割り振られており、所持装備も変わってきます。
基本装備は非殺傷ハンドガンで、サブマシンガン・ショットガン・グレネードは追々追加できます。
また、キャラクター固有で殺傷能力のあるハンドガンやサブマシンガンなどを所有できます。
ほかには、ドローン呼び出しやハッキングや車両の呼び出しなど多岐にわたります。
デッドセックへの勧誘は、ハッキングメニューからできます。
最初は反デッドセックの市民が多いですが、地域で区切られたエリアを開放することで勧誘できたりします。
警備組織や敵対組織の人間は1~2ほどミッションを挟みますが、仲間にすることができるので
デッドセックメンバー数に上限はあるものの、最終的には街中のNPC全員が勧誘できることになります。
□キャラをより個性的にできるカスタマイズ
また、ロンドン中にはファッションストアもあり、見た目の変更もできます。
デッドセックの拠点では、警戒区域侵入時に着用するマスクも変更できますし、
髪型やチーク、ネイルカラーやヒゲなど様々なパーツを用いて編集することができます。
キャラクターを自由にカスタマイズできる点は非常にいいと思います。
ここで個性を出して、好きなキャラクターにお金を費やすのはありだと思います。
エイデンが身に着けていたようなロングコートは、探してみましたが見つかりませんでした。
□美しく、そして汚くて危険なロンドンを散策できる
レイトレーシングに対応したために水面や、雨で塗れた地面の反射の処理がリアルになりました。
ガラス一面のビルもかなり多いですし、見ているだけでもグラフィックの「進化」を感じます。
もともと第一作目でも十分にきれいだったグラフィックがさらにきれいになりましたね。
その影響もあってか、今作はReshaderがなくても十分きれいな部類になりました。
あちこちでゴミが落ちている様子や、民間軍事組織が一般市民を捕らえて殴りつけているシーン、
AI自動運転中に暴走して一般市民が轢き殺されるといった、少し先の未来でありえそうな、
なんというか、それっぽい感じに近未来なロンドンに出来上がっています。
□潜入ミッション目新しさは特になし
ウォッチドッグスといえば、警戒エリアに侵入してデータを抜いたりブツを盗み出したりするために
ハッキングを駆使して潜入する楽しみがありますよね。今作も同様にあります。
特に目新しさはなく、「2」とそんなに変わらない感じがしますね。
スキルがキャラクター固有になったので、ショックを与える能力は全員に備わっていなかったり、
キャラが固定化される懸念がありますが、別にそんなことはありませんでした。
また、エイデンやマーカスにあった信号機の変更や大規模停電といった派手なスキルは使えなくなりました。
ちなみに画像に映っている女性は、資産家なので戦闘能力は皆無なんですけどね…。
見た目と声が比較的マシなので、受付の男性と交互でメインミッションを攻略していました。
ほかには格闘家やバーテンダー、アナリスト、ハッカーなどたくさんの職種を持ったキャラがいます。
ちなみにエリア内への侵入は、キャラクターが直接潜入する以外にもドローンを用いたり、
大型の運搬用ドローンに乗って空から侵入するという方法も使えます。
潜入先にはいろいろなアイテムも落ちているので、その収集も兼ねて行うといいかも。
□程よい広さのマップ
ロンドンのロケーションを抑えたマップ構成ですが、広すぎず狭すぎずといった感じです。
ロケーションの量を見れば前作「2」のサンフランシスコよりも少ないうえに地味なところが多く、
いまいちパッとしません。プレイが終わったら「1」か「2」に戻りそうな気がします。
「1」ではファストトラベル以上に素乗りもできましたが、今作は完全にファストトラベル要素。
細かく駅が配置されているので、結構快適に利用できます。
特にメインミッション中は移動距離が非常に長いので、車移動よりもこちらのほうが楽だったりします。
マップの密度は、初代と同じくらいだと思います。シカゴはさすがに都会なのでビルの群れがすごかった。
ただ、ボートで移動できる場面が非常に少なかったかな?と感じましたね。
町並みは現代と近未来、そして昔ながらの建物がいい感じに合わさっています。
今作はロンドンということで、同社の「アサシンクリード シンジケート」コラボもあります。
なかなか楽しめましたよ。
ここからは気になった点をいくつか。
□主人公が固定ではない分、あっさりしたストーリー
主人公がだれでもよくなった本作は、メインミッションの内容はかなり凝られているものの、
エイデンやマーカスのような感情移入ができるようなシーンはほとんどありません。
復讐劇であった「1」と、ブルーム打倒に燃える「2」。非常に良かった内容でした。
今回は、ストーリーの練度は非常によいのですが、感情移入できないところが非常に残念です。
また、デッドセックメンバーとの会話の取引もありますが、会話がかみ合っていません。残念です。
次回作は主人公を固定していただけるとありがたいですね。
□メインミッションの移動がいちいち長い
メインミッションでは、一ヶ所で完結ではなく「別の場所に行け」と指示される場合がほとんどです。
それ自体は問題ないのですが、移動距離がいちいち長かったり同じ場所に何度も行くなど、
ロケーション設定が適当だな、という感じがしました。
本作は地下鉄などのファストトラベルが発達しているので、車単独で移動するよりは、
ファストトラベル→停車中の車両を使って移動する、というのが楽でした。
もちろん、自動運転機能もあるので[自動運転にしてお菓子を食べる]といった楽しみ方をするのもありかと。
□クラッシュが非常に多い
パソコン版限定に近いですが、本作の一番気になった点。ストレスポイントです。
プレイ環境は、Ryzen7 5800XとRTX4090でグラフィックドライバは「546.17」です。
RTX4090はグラフィックスドライバとの相性問題でよく落ちるというレビューもみます。
本作プレイ中になんども同じシーンでクラッシュすることがありました。
・中~大型ドローンをプレイヤーの近くで爆発させる
・キャラカスタマイズ画面で髪型を選択中、ファッションショップで衣装を選択中
・イベントシーンからプレイヤー操作シーンに変わるタイミング
ドローン爆破演出時は高確率でクラッシュしてゲームが落ちることもあれば、
ゲーム中になんの前触れもなくグラフィックスドライバごとクラッシュすることもあります。
(※こちらはブログ記入中やブラウジング中にもあるのでグラフィックスドライバの可能性も)
グラフィックスドライバごとクラッシュした場合、OSが自動再起動しますが、
その直後に本作を起動した場合、真っ黒で何も表示されないウィンドウが表示されるだけで起動しません。
また、本事象が発生するのはDirectX12環境である場合です。DX11環境は安定しています。
そんな感じで、遊んでみた感想でした。
フルプライスではなくセール時で購入するほうが、満足できる作品と思います。
ストーリーそのものはいいのですが、DLCでエイデンを触るほうが正直楽しかったです。
次回作は固定主人公で、かつデバッグは入念にしていただきたいと思いました。
個人的な本作の評価は、駄作でもなければ凡作でもない普通の良作でした。
クラッシュさえなければストレスもほぼないんだけどなあ…